トレーニングは後悔する前にやっておきましょう
1. 後悔したあの日の記憶
今となっては情けない事だが、僕が中学生の頃、愛犬(シベリアンハスキー)が散歩中に首輪から抜け出し、脱走してしまったことがありました。
「〇〇!」と必死に呼んでも、振り返るどころか、どんどん遠ざかっていく。ひたすら走って追いかけましたが、一向に捕まえることはできませんでした。
その日から3日間、町中を家族総出で探し回りました。大阪からも、今でも仲良くしている友人に来てもらって一緒に探すほどでした。
決定的だったのは、その友人が連れてきた愛犬の兄弟犬。目撃情報のあった場所へ一緒に向かうと、不思議なことに、家族の呼びかけでは逃げていた愛犬が、兄弟の姿を見た瞬間に駆け寄ってきたのです。
ものの数分で捕獲成功。安心したのと同時に、どこか悔しさと切なさが残った瞬間でした。
「家族よりも兄弟犬に寄っていった」――そう思うと、家族との信頼関係が足りなかったのではと胸が痛みました。
しつけやトレーニングが事が大きくなる前にやった方がいいということを、実感する経験でもありました。
もし見つからず、そのまま元の生活に戻れていなかったら、、、
車に轢かれて、亡くなってしまっていたら、、、
想像するだけで、悲しみや苦しみが込み上がってきます。
このブログを読んでくださった方々が「後悔したくない」、「ずっと一緒に長く過ごしたい」、そんな想いを胸に
トレーニングを始めるきっかけになれたら本望です。
2. 「呼び戻し」や「待て」ができることの意味
犬のトレーニングの中で、もっとも大切だと僕が感じているのが「呼び戻し」と「待て」です。
呼んだら戻ってくる。待てと言われたら待てる。たったこれだけのことが、犬の命を守る決定打になるのです。
道路に飛び出しそうになった時、誰かに吠えかかりそうになった時、脱走してしまった時。
「おいで!」で戻ってきてくれるなら、事故やトラブルを未然に防ぐことができます。「待て」ができるなら、そもそも吠えかかろうとしません。
僕の愛犬のように、呼び戻しや待てができなかったら…。その先に待っているのは「もし事故に遭っていたら」という取り返しのつかない後悔です。

3. トレーニングが絆をつくる
現在のしつけやトレーニングというと預けてトレーニングさせたり、罰を使って事を覚えさせるイメージが強いかもしれません。
それでは、愛犬との絆は深まらず、もしもの状況になっても守れません、「一緒に練習していく過程こそが絆になる」のです。
呼び戻しの練習を重ねることで、飼い主にとっては「うちの子は必ず帰ってきてくれる」という安心感が育ちます。
犬にとっては「この人のところに戻れば安全だし、いいことがある」という信頼が積み重なっていきます。
また、「待て」の練習を積み重ねることで、飼い主さんが自分が苦手な状況で指示をくれることでわんちゃんはどんな刺激でも乗り越えていきます。
僕が中学生の頃に戻れるなら――。
愛犬との時間をもっと「呼び戻しトレーニング」や「待て」に費やして、一緒に楽しみながら練習したかったと心から思います。
4. まとめ ― 今からでも遅くない。愛犬のためにトレーニングを
犬との生活には「もしあの時こうしていれば」という後悔がつきものです。
でも、トレーニングだけは今からでも遅くありません。
・呼んだら必ず戻ってきてくれる
・「待て」の一言で平常心に戻れる
・飼い主と一緒にいるのが一番安心
・困った時に頼れるのは「家族」
そんな関係を築けたら、愛犬も飼い主も、もっと安心して暮らせるはずです。
あの日の僕の後悔や最悪な事態を、今これを読んでくださっている飼い主さんには味わってほしくありません。
だからこそ、伝えたい。
「トレーニングは、後悔する前にやっておこう。」


